誰でも高速に高分解能に周波数応答関数の計測を実現
周波数応答計測ソフトウェアは、機械構造物の振動特性、スピーカーの音響特性、モーター制御特性、 サーボ解析、カップリングの応答特性、バッテリのインピーダンス特性など様々な対象物の周波数特性を計測することができる専用のソフトウェアです。 サーボアナライザー、周波数特性分析器としてご利用でき、簡単に誰でも高速に高分解能に周波数特性を取得する事ができます。
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周波数応答計測ソフトウェアは、機械構造物の振動特性、スピーカーの音響特性、モーター制御特性、 サーボ解析、カップリングの応答特性、バッテリのインピーダンス特性など様々な対象物の周波数特性を計測することができる専用のソフトウェアです。 サーボアナライザー、周波数特性分析器としてご利用でき、簡単に誰でも高速に高分解能に周波数特性を取得する事ができます。
製品概要
ソフトウェア
OS-4100 周波数応答計測ソフトウェアは、従来機種のサーボ解析(DS-0242/DS-0342)の後継機種です。従来機種の機能を全て搭載し、 さらに外部コントロールやステップ応答機能など新しい便利機能を搭載したソフトウェアです。
ハードウェア
DS-5000 は、従来機種 DS-3000 より小型化、ダイナミックレンジの向上、全 ch アイソレーション(絶縁)したノイズに強いハードウェアです。 ダイナミックレンジは 110 dB から 130 dBへ向上、最大計測チャンネル数は、32 ch から 42 ch へアップしました。
特長
1. 高速に高分解能に幅広い周波数帯域を計測
●2種類の演算方式を搭載
2種類の演算方式を搭載しており、計測シーンや目的に合わせて選択ができます。
FRA方式 (Frequency Response Analyzer)
単一周波数毎に振幅・位相を求める方式です。
広いダイナミックレンジにより、周波数特性を高精度に計測することができます。
信号出力 Log Sin スイープ
周波数分解能 200 Line / Decade
(10 Hz ~ 40 kHz) 計測時間 78秒 (2回平均 / Line)
FFT方式 (Fast Fourier Transform)
計測する全ての周波数範囲を同時に求める方式です。
広い周波数範囲を高速に測定する事ができ、対象物の周波数特性を素早く把握する事ができます。
信号出力 Random
周波数分解能 6.25 Hz(6400 Line)
計測時間 17秒 (100回平均)
●FRA方式の演算を高速化
制御特性の評価やインピーダンス測定など低周波数領域を計測する場合、非常に計測時間がかかる場合があります。
従来の演算方式を見直し、大幅に計測時間を短縮しました。
例
計測条件 1 | 計測条件 2 | |
---|---|---|
本製品 (OS-4100) | 54秒 | 100秒 |
旧製品 (DS-0342) | 195秒 | 365秒 |
計測条件 1:FRA方式 1 Hz ~ 1,000 Hz 50 Line/Decade
計測条件 2:FRA方式 1 Hz ~ 100 Hz 100 Line/Decade
2. PCならではの多彩で自由度の高いグラフ表示
ボード線図、ナイキスト線図、コクアド線図、ニコルス線図、コールコールプロットなどの周波数応答関数を多彩な方法で表示可能です。
計測中の時間波形や瞬時パワースペクトルをモニタする事ができ、接続方法の確認や異常なデータなどをリアルタイムに確認する事ができます。
また、ドッキングウィンドウで各種ウィンドウの表示位置をお好みのレイアウトに変更することができます。
周波数応答関数を計測しながら各chの時間波形とパワースペクトルをモニターする事ができます。
別途、モニター用にオシロスコープなどを用意する必要はありません。
3. 機械制御特性計測と騒音振動計測を両立
制御特性の計測(OS-4100)と騒音振動計測(O-Solution)を1つのハードウェアで計測する事ができます。用途に合わせてソフトウェアを使い分ける事で低コストで様々な計測にご利用になれます。
例えばカメラの手振れ補正制御特性を OS-4100 で計測し、モーターの音などを O-Solution で計測する事ができます。
機能紹介
様々な用途にごりようできる 便利な機能を搭載しています。
☑リスト表示
ピーク点、減衰比や損失係数、ゲイン余裕&位相余裕をリスト表示できます。また、ゲイン余裕 & 位相余裕を自動サーチできます。
ピーク点のリストアップ
減衰比リスト(減衰比、損失係数、Q値などをリスト表示)
☑再計測機能
周波数応答関数を計測後、一部分のみ周波数分解能を高くして再計測する機能を搭載しています。
全体の周波数特性を捉えた後、共振位置など周波数分解能を高く計測したい領域がでてきます。
その領域のみを周波数分解能高く再計測できます。計測時間の短縮に役に立ちます。
☑データの共有
OS-4100 は、旧製品の ESUFEEL や DS-0342(サーボ解析)で取得したデータや O-Solution で取得したデータをインポートする事ができます。
過去データとの比較やハンマリング試験で取得した周波数応答関数と比較する事ができます。
☑OT-0450 損失係数算出ツール(オプション)
●材料の振動減衰性能(損失係数)を評価
JIS K7391に従って、周波数応答計測ソフトウェアOS-4100により取得した周波数応答関数から、制振材料の損失係数とヤング率を算出します。
☑OS-0410 外部コントロール(オプション)
オプション機能として OS-0410 外部コントロールを用意しています。お客様が作成したソフトウェアと TCP/IP で通信し、事前に用意した計測条件で計測、データの保存を行うことができます。
●量産品の検査プロセスを自動化
設定、計測、保存を行う事を自動化する事でボタン1つで必要な作業を完了する事ができます。
●他アプリから計測器を制御
計測開始と終了タイミングを制御する事や計測条件を指定する事ができます。
外部コントロール OS-0410 | |
---|---|
LANポート | 制御側との通信用 (同一PC内での運用する場合は不要) |
プロトコル | TCP/IP |
文字コード | ASCⅡ |
改行コード | CRLF |
システム構成
周波数応答計測ソフトウェアは、DS-5000シリーズ(FFTアナライザー)ハードウェアとPCを用いたシステムです。
DS-5000シリーズ(FFTアナライザー)の信号出力機能を用いて対象物へ信号を入力し、その入力信号と出力信号(応答)を計測し、周波数応答関数を求めます。
計測事例の紹介
ロボット、搬送装置、半導体製造機、自動車など様々な製品に組み込まれているモーターやドライバーは、 その回転速度やトルクなどを制御するために制御回路が組み込まれています。この制御特性を評価するため、ゲイン余裕と位相余裕を求めます。OS-4100は、周波数応答関数(開ループ伝達関数)からゲイン余裕と位相余裕を自動算出できます。 また、閉ループ伝達関数を計測し、開ループ伝達関数(一巡伝達関数)を求めることができます。DS-0545 2ch信号出力ユニットは、フィードバック信号(対象物の信号)と計測用信号(DS内部で生成した信号)を加算して入力へ戻すことができます。 これにより制御回路に直接信号を注入する事ができ、制御回路の安定性を簡単に評価することができます。
また、ステップ応答機能により時間軸領域の応答性(遅れ時間やオーバーシュート値など)を計測、自動算出することができます。
機能紹介 ステップ応答機能
対象物の時間的な応答の性能を求める事ができます。対象物に階段状のステップ信号(時間)を与え、ステップ応答信号を計測する事で応答性能に関する数値(立ち上がり時間など)を自動的に算出する事ができ、また、実測データと過去データを比較する事もできます。
(協力:シチズン千葉精密株式会社様)
ガルバノスキャナー(ガルバノミラー)とは、レーザー光を反射するミラー走査角度を調整するためのモーターで、高精度な位置センサーを搭載しています。レーザーマーカや顕微鏡、LiDARなど、レーザー光と組み合わせて幅広い用途で使用されています。用途によっては、ミラーを高速かつ高精度に広範囲に走査(スキャン)することが、求められます。そのため、製品開発時は、高速化を実現するために精度の良いシミュレーションを行う必要があり、また、モデルや制御パラメーターの最適化が必要です。
また、お客様に安心してご利用して頂くために、出荷前に製品の性能が担保できているか確認する必要があります。
そのためにガルバノスキャナーの制御特性評価やミラーの共振周波数を高精度に簡単に計測し、把握することが課題でした。
事例 2-1 ガルバノスキャナー制御特性評価
3種類の制御パラメーターを比較した結果
事例 2-2 ガルバノミラーの共振周波数を計測
3種類のガルバノミラーを比較
構造物に振動が与えられた際にその振動周波数と構造物の固有振動数が一致すると共振を起こし、非常に大きな振動が発生し、故障や破壊の原因につながります。 そこで、構造物(対象物)の振動特性を評価することが重要になってきます。OS-4100 は、加振器を用いた振動特性評価を最大 42 ch 同時に計測することができます。
また、微積分演算機能で加速度から変位に変換することや振幅コントロール機能で加振する振幅値を制御することができます。さらに、2つのデータを四則演算する機能(Item間 演算機能)でジグの重さを差し引いた特性を計測することができます(マスキャンセル)。
計測画面イメージ
加振器を用いた振動特性の評価
加振器の振幅制御する事ができます。計測している振幅が、予め設定した振幅になるように信号出力(DS-5000)の振幅を自動的に変化させることができます。ch1 の振幅が一定になるように加振器を制御する事ができます。ジグの振動特性の影響を受けずに振動特性を計測する事ができます。
また、加速センサーを用いて変位の振幅で制御する事ができます。
事例 4. バッテリー(2次電池 / 燃料電池単セル用)の交流インピーダンスの測定
バッテリを評価する方法として交流インピーダンス法があります。この方法は、バッテリを破壊や分解することなく、 インピーダンス(電極の劣化など)特性を評価することができる手段の1つです。バッテリに交流電流負荷を印加し、電圧と電流を測定することによって交流インピーダンスを計測することができます。 FRA方式を使用することで広いダイナミックレンジで、高精度に計測することができます。また、バッテリの劣化原因の推定に役に立つコール・コールプロットを表示できます。 計測結果をシミュレーションソフトなどに移行しやすいようにファイル形式に汎用性のある uff や HDF5 形式を採用しています。
※本計測時は、電子負荷装置や電流ブロープが必要です。
Cole-Cole plotは、
周波数応答関数の
実部を横軸に虚部を
縦軸に描いたグラフです。
等価回路を推定するのに役に立ちます。
機能紹介 周波数分割設定
計測する周波数毎に設定を変える事ができます。 計測時間の短縮や周波数毎に最適な設定を構築する事ができます。重要な周波数帯域のみ周波数分解能の高く計測し、あまり変化のない帯域は粗く計測する事ができ、計測時間の短縮に繋がります。 また、周波数帯域毎に信号出力の振幅を変えるSNを向上させた最適な計測ができます。
スピーカーの性能を決める要素として音の周波数特性があります。OS-4100 は、DS-5000 の信号出力をスピーカーのアンプに接続し、発生した音を騒音計やマイクロホンで捉えることで、スピーカーの周波数特性を計測することができます。 また、カットオフ周波数を自動で見つける機能(カットオフサーチ機能)を搭載しています。さらに、2種類の演算方式を搭載しており、FRA方式で各周波数毎のデータを高精度に取得することやFFT方式で瞬時に計測したい全周波数帯域の特性を取得することができます。
計測結果イメージ
FFT方式 FRA方式
フィルターやアンプなどの電気系の特性を評価するために周波数特性を計測する事があります。
OS-4100を用いる事で高分解能に周波数特性を計測する事ができます。
また、カットオフ周波数を自動で見つける機能を搭載しています。