62000Dシリーズ 電力回生式プログラマブル双方向直流電源は2象限動作によって電源と電子負荷双方の役割を担うことができます。
定格出力:6kW/12kW/18kW
電圧範囲:0V~600V(100V/1200V/1800V)
電流範囲:0A~120A
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定格出力:6kW/12kW/18kW
電圧範囲:0V~600V(100V/1200V/1800V)
電流範囲:0A~120A
新エネルギーのPV/EV/燃料電池/バッテリーは伝統的なエネルギー(石炭、石油など)の代替として注目を浴びています。電気自動車の増加とESS/バッテリーのニーズは、分散型エネルギー貯蔵やマイクログリッドの急速なビジネス化を促進しています。電力変換機器は双方向設計になり、高効率かつ高電圧変換、高電力密度のバッテリーアプリケーションとの組み合わせ試験や、バッテリーシミュレータ(双方向電源)の測定、評価への需要が高まっています。
62000Dシリーズは2象限動作の双方向電源設計で、動作範囲は正電圧/正電流と正電圧/負電流となっています。直流電源として使用できるだけではなく、直流電子負荷としても使用できます。さらに、系統に電力を回生することが可能で、変換効率は最大93%です。定電圧、定電流、定電力のモードで動作できる小型でエコな電源となっています。
EVの普及により、OBCはV2G(車両からグリッド)、V2L(車両から負荷)、およびV2H(車両から家庭)の充放電の双方向のニーズが生まれています。従来の方法では直流電源と直流電子負荷の2台の試験器をコントロール必要がありましたが、62000Dシリーズを直流電子負荷として定電圧(CV)、定電流(CC)、定電力(CP)モードで動作させることで、1台の62000DでOBCの評価をすることが可能です。
▲従来の電源&電子負荷と62000Dシリーズの双方向車載充電器接続イメージ
パワーコンディショナ(PCS)は、バッテリーと電力システム間の電気エネルギー双方向を変換できるデバイスです。直流電圧は450Vから1500Vのものまでが開発されており、充放電、有効電力制御、無効電力調整とオフグリッドスイッチング機能を備えているものがあります。62000Dシリーズには、高電圧の62180D-1800モデル(1800V/40A/18kW)をラインアップしており、10台並列することで 1800V/400A/180kW出力が可能となり、電源及び電力回生式電子負荷としてはバッテリーシミュレータの代わりに使用できます。
62000Dシリーズは、2つ象限の間で電流を高速的に連続変換することができ、多様な双方向DC-DC/DC-ACバッテリー充電および放電測定に対応できます。電流応答速度は<1.5ms(-90%〜+90%)の高速過渡応答であり、安定した電源試験を可能にします。
▲ 実際の走行状況の模擬
モータードライバからの電力について実運転におけるアクセルとブレーキ動作では、高度なコントロールシステムによってバッテリーを高速で充放電を行い、電力変換をしています。62000Dシリーズは高速過渡応答能力によって、実運転におけるモーターの電力変換に追随することが可能なので、安定した実運転模擬(ドライブサイクルシミュレーション)試験を行うことができます。
▲ 自動車起動システム モータードライバテストアプリケーション
62000Dは、バッテリーシミュレータソフトウエア (Battery Simulator Softpanel) と組み合わせ、バッテリーシミュレータとして使用することが可能です。その際には、異なったSOC条件の設定、もしくは電池特性(V-I曲線)のダウンロードを行います。本機能により、異なった容量の電池や異なった電池特性にて、製品の評価を行うことが可能です。そのため、62000Dは車載充電器やモータ駆動装置などの製品の試験に適しています。
62000Dシリーズのソフトパネルは自動車試験規格であるLV123とLV148の試験項目の一部と同等の試験を実行できるため、予備試験に活用できます。さらに、62000Dは最速180V/msの高速スルーレート設定が可能なため、多くの国際規格準拠の予備試験に応用することが可能です。また、Chroma Softpanel(ソフトウェア)との組み合わせでユーザーはワンクリックの操作で出力試験を行うことが可能です。
62000D双方向直流電源は、エネルギー回収機能を備えており、グリッドへエネルギー回生が可能です。入力電圧異常や周波数異常の検出や、電源設備が異常を検出した場合、自ら出力レベルをオフにしてグリッドとの接続の安全な使用を確保します。また、62000Dには、OVP、OCP、OPP、OTP、AC異常検出、ファン異常などを検知する保護機能を備えています。その内、交流入力異常保護として、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、三相不均衡(Unbalance)、グリッド周波数異常(Freq. Error)、過電流保護(OCP)などがあります。
62000Dシリーズは広い動作範囲出力が可能です。62180D-600の出力定格は600V/120A/18kWであり、下図の通り電圧と電流の様々な組み合わせで出力が可能です。1台の直流電源で低電圧/高電流、高電圧/低電流の試験に対応できるため、コストとスペースを節約した試験環境を構築することができます。
さらに62000Dシリーズは、マスタースレーブ運転でき、最大10台まで並列することで180kW大容量出力が可能です。並列接続方法も簡単なため、R&Dや品質保証、生産ラインなどでの利用を想定することができます。マスター機からスレーブ機にデータをすぐに転送しながら、高い安定性と低ノイズを誇る並列システムとなっています。
並列接続による最大180kW出力
様々な通信インターフェースに対応しており、標準でUSB、LANを搭載、オプションでCAN/GPIBインターフェースを追加することができます。自動車業界で使用するCANは2.0A&B規格、11-bit/29-bitsに対応、V/I/Pパラメータを最小10msで取得できます。