より正確なナノ3D計測
広域フラットスキャナを搭載し、メカニカル起因の測定誤差を排除した走査型プローブ顕微鏡システムAFM5500Mなら、ナノメートルレベルの凹凸構造やうねりを高精度に測定できます。カンチレバーの装着・交換、光軸調整の自動化により、オペレーターの負担を軽減し、SEM、各観察装置との座標リンケージを実現しました。
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広域フラットスキャナを搭載し、メカニカル起因の測定誤差を排除した走査型プローブ顕微鏡システムAFM5500Mなら、ナノメートルレベルの凹凸構造やうねりを高精度に測定できます。カンチレバーの装着・交換、光軸調整の自動化により、オペレーターの負担を軽減し、SEM、各観察装置との座標リンケージを実現しました。
1.ここまで来た!AFMの自動化
・自動化による生産性の向上を追求
・オペレータ起因の測定誤差排除を追求
4インチ電動ステージ |
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2.新開発のフラットスキャナで歪みなし!
従来のAFMに使用されてきたチューブ型ピエゾスキャナは、円弧運動に起因する湾曲データに対し
て、ソフト補正をかけて平滑化処理を行っていました。
しかし、この補正によっても円弧運動の影響を除去しきれず、データに歪みが残る場合がありました。
AFM5500Mは、新開発のフラットスキャナを搭載することで、円弧運動の影響を受けない正確な測定
を実現しました。
観察試料:シリコン基板上のアモルファスシリコン薄膜
従来のAFMに使用されてきたスキャナは、垂直方向の伸縮動作を行う際、曲り(クロストーク)が
生じていました。それは、左右の形状差や映像の歪の原因です。
AFM5500Mでは、新開発された垂直方向にクロストークのないスキャナを搭載することで左右の歪が
ない正確な測定を実現しました。
観察試料:太陽電池テクスチャ構造(結晶方位により左右対称な立体構造)
* AFM5100N(オープンループ制御)使用時
3.装置をまたぐリンケージが同一視野で違うメニューの観察・分析を実現
・他の検査解析手法との親和性を追求
SEM-AFMに共通の座標リンケージホルダにより、同一視野の形状、構造、組成、物性の簡単・迅速
な観察・分析を実現しました。
SEMとAFMの画像重ね合わせ:(株)アストロン製アプリケーション AZblend Ver.2.1使用
KFM(ケルビンプローブフォース顕微鏡)による形状像(AFM像)と電位像(KFM像)をSEM画像に
重ね合わせたデータです。
・SEMのコントラストの差が、AFM像よりグラフェン1層分の高さに相当することがわかります。
・グラフェンの層数等により表面電位(仕事関数)が違っていることがわかります。
・SEMのコントラストの起源を、AFMによる高精度3D形状計測と物性観察により追求できます。
今後も他の顕微鏡や検査装置とのリンケージを進めていきます。
◆仕様
AFM5500M ユニット
ステージ | 精密電動ステージ 観察可能領域:100 mm (4インチ)全域 ストローク:XY ± 50 mm、Z ≥21 mm 最少ステップ:XY 2 µm、Z 0.04 µm |
最大試料サイズ | 直径:100 mm(4インチ相当)、厚み:20 mm 試料荷重:2 kg |
走査範囲 | 200 µm x 200 µm x 15 µm (XY:クローズドループ制御 / Z:変位センサー計測) |
RMSノイズレベル* | 0.04 nm 以下 (高分解能モード) |
繰り返し再現性* | XY: ≤15 nm(3σ、10 µmピッチ計測)/Z: ≤1 nm(3σ、100 nm 深さ計測) |
XY直交度 | ±0.5° |
BOW* | 2 nm/50 µm以下 |
検出系 | 光てこ方式(低コヒーレント光学系) |
直上光学顕微鏡 | ズーム倍率:x1 ~ x7 視野範囲:910 µm x 650 µm ~ 130 µm x 90 µm モニタ倍率:x465 ~ x3,255(27インチモニタ) |
除振台 | 卓上アクティブ除振台 500 mm (W) x 600 mm (D) x 84 mm (H) 、約28 kg |
防音ボックス | 750 mm (W) x 877 mm (D) x 1400 mm(H)、 約 237 kg |
サイズ・重量 | 400 mm(W) x 526 mm(D) x 550 mm(H)、約 90 kg |
* 仕様値はシステム構成と設置環境によります。
AFM5500M 専用プローブステーション
RealTune® II* | カンチレバー振幅、接触力、走査速度、およびフィードバックゲインの自動調整 |
操作画面 | ナビゲーション機能、マルチレイヤー表示機能(測定/解析)、 3Dオーバーレイ機能、スキャン可動範囲/測定履歴表示機能、 データ解析バッチ処理機能、探針評価機能 |
X, Y, Z走査電圧 | 0~150 V |
同時測定 (データポイント) | 4画面(最大2,048 x 2,048) 2画面(最大4,096 x 4,096) |
長方形スキャン | 2:1、4:1、8:1、16:1、32:1、64:1、128:1、256:1、512:1、1,024:1 |
解析ソフトウェア | 3次元表示機能、粗さ解析、断面解析、平均断面解析 |
装置制御機構 | カンチレバー自動交換、自動光軸調節 |
サイズ・重量 | 340 mm (W) x 503 mm (D) x 550 mm (H) 、約 34 kg |
電源 | AC100 ~ 240 V ±10% 単相 |
測定モード | 標準:AFM、DFM、PM(位相)、FFM オプション:SIS形状、SIS物性、LM-FFM、VE-AFM、Adhesion、Current、 Pico-Current、SSRM、PRM、KFM、EFM(AC)、EFM(DC)、MFM、 SIS-ACCESS、SIS-QuantiMech |
* RealTuneは、日立ハイテクサイエンスの日本、米国およびEUにおける登録商標です。
オプション:SEM-AFMリンケージシステム
日立ハイテク製 SEM対応機種 | SU8240、SU8230(H36 mmタイプ)、SU8220(H29 mmタイプ) |
試料ホルダサイズ | 41 mm (W) x 28 mm (D) x 16 mm (H) |
最大試料サイズ | Φ20 mm x 7 mm |
アライメント精度 | ±10 µm(AFMアライメント精度) |