慣性特性計測装置特集「3分でわかる慣性特性のお話」

CMS特集「3分でわかる 『慣性特性』 のお話」

慣性特性は身近な製品で幅広く利用されています

慣性特性は、研究開発、設計、問題対策、他社製品調査などいろいろな場面で、いろいろな形で利用されています。また慣性特性は設計目的などに応じて値を大きくしたり、小さくしたり、安定的にしたり、不安定にしたりして利用されます。

慣性特性の違いによる振る舞い
振動 振動を無くす 振動させる
機械の部品の慣性特性を調整して、不要な機械振動をできるだけ抑えるようにします 振動(1)
エンジン
電動歯ブラシの部品の慣性特性を調整して、適切に振動するようにします 振動(2)
電動歯ブラシ
安定性 不規則・不安定にする 安定性を高める

遊具やおもちゃを楽しめるように、それらの慣性特性を調整して不規則・不安定な動きになるようにします

安定性(1)
遊具
安定性(2)
アトラクション
クレーンの慣性特性を調整して、安定性を高めて、転倒しないようにします 安定性(3)
建機
大型カメラで安定的に撮影できるように、カメラの慣性特性を調整してホールドした時の静止安定性を高めます 安定性(4)
カメラ
その他多数
慣性特性が重要な製品例
注目性能 詳細
乗り心地
自動車走行時の車軸の傾きである、ローリング・ピッチング・ヨーイングなどの性能を、慣性特性値や、慣性主軸の向きを調整する事によって最適化します 操作性
打撃性
テニスラケットが強い球に押し返されにくくしたり、強い打球を打てるようにしたりするために、ヘッド(先端部)が重くなるように慣性モーメントを調整します 打撃性
安全性
ジェットコースターなどの安全性を確保するために、乗客に過剰な加速度がかからないよう乗客の慣性特性などを用いて運動解析します 安全性
その他多数
製品が慣性特性と深い関わりのある業界
動力機械
動力機械

自動車、レーシングカー、二輪車、船舶 など

制御機械
制御機械

産業用ロボット、人型ロボット など

重機
重機

高所作業車、クレーン、パワーショベル など

宇宙関連
宇宙関連

ロケット、
人工衛星 など

スポーツ用品
スポーツ用品

ゴルフクラブ、テニスラケット、ボブスレー など

遊具
遊具

回転ブランコ、ジェットコースター、滑り台 など

以上は、慣性特性の適用先のほんの一例にすぎません。

このように慣性特性は、「高さ」や「大きさ」などのような物の性質や特徴を表す値です。
慣性特性は目で見ただけではわからない特性ですが、使い方がわかれば、ものづくりの現場での様々な課題解決に利用できる汎用性の高いツールであることがご理解いただけると思います。

後ほど適用事例の詳細ページで説明しますが、慣性特性とは物体の運動に関する3つの特性値のまとまりを指し、それらは、

重心位置、 質量、 慣性テンソル(慣性モーメント、慣性乗積)

の3つの特性値になります。

【適用事例】振動を減らす事への適用 - エンジンマウントの設計

詳細ページでは、エンジンマウントの設計適用事例を通して

  • 慣性特性とは具体的には何を指すのか?
  • 慣性特性を具体的にどのように利用するのか?
  • 自動車業界などで採用されている開発手法、MBD(モデルベース開発)と慣性特性との関係

などについて簡単に説明します。

慣性テンソルについて ~実験で部品のどのような値を測定するのか?~

図: 慣性テンソル
図: 慣性テンソル

なお、本質的にテンソルと行列とは全く別の物ですが、ここでの概略の説明範囲においては、慣性テンソルの「テンソル」は、高校数学で習う「行列」と呼ばれる数式記号と同じものとイメージしていただいて問題ありません。

さて、詳細ページでは、CAEソフトなどに慣性特性を入力したりする時の、慣性テンソルとは実際にはどのような形をしているのか、具体的にどのような実験データをそろえないと解析できないのか、などについて簡単に説明いたします。

慣性特性の測定方法について

慣性特性の測定は、物理法則の組み合わせ方によって様々な方法があります。
こちらでご紹介する方法は従来からのものですが、これら以外にもこれらの方法をアレンジし改善した方法や、全く新規の測定方法など、いろいろあります。

測定方法の中には、大きな測定物を高精度で測れるかわりに、測定に何週間もかかったり、専門知識や専門技術が必要になったりするものもあります。

測定方法にはそれぞれ長所短所がありますので、特に、測定に手間のかかる物ほど、目的を明確にして、幅広い選択肢から目的にかなったものを選択する事が測定工数の大幅な削減につながります。

従来の慣性特性の測定方法
振り子式
振り子式

糸で吊るされた測定機に、試験体を設置し、ねじり振動を与えて測定する。
次に試験体を取り外し、向きを変えて再度設置し同様の測定をする事を複数回行う。

【課題】試験体が大きくなるほど、測定の作業負荷が増える。測定技能が必要なため、測定者によって測定値がバラつく傾向がある。

加振式
加振式

試験体を測定機に設置し、試験体を加振し測定する。

【課題】測定機に機械要素が多いため、測定値が機械構造の誤差要因の影響を受けやすい。また試験体が大きくなるほど、大出力のアクチュエータ(力を与える装置)が必要になり、測定機も大規模化していく。

モード解析式
モード解析式

試験体に加速度センサーを取り付け、力(ちから)センサー付きハンマーで打撃を加え測定する。

【課題】高い専門知識、専門技能が必要。また、それゆえ、測定者によって測定値がバラつく傾向がある。

その他の測定方法

上記以外の方法もあります。

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